ごあいさつ

わが国は、国土面積（3,779万ha）の66.4%に相当する2,508万haが森林で覆われており、森林率でみるとフィンランドやスウェーデンにも匹敵する森林大国です。ところが、2016年の国内総生産に占める林業の割合はわずか0.04%と非常に低い水準にとどまっているほか、木材の自供率も2017年の実績で36.1%と同様に低い水準にあります。これは、1960年代以降のいわゆる高度経済成長期に、主として建設用資材や紙製品向けの木材需要の高まりから、森林の大規模な伐採が行われ、その跡地にはスギやヒノキを中心とする植林が広範囲に行われたものの、それらの幼木が伐採期を迎えるまでには40年以上の歳月を要することから、この間に日本の森林は疲弊し国内林業が衰退の一途を辿ったためです。
しかし、高度経済成長期から50年以上が経過した現在では、そうした植林木が十分に成長し既に伐採期を迎えていながら、森林の管理が不十分であることや林業従事者の不足等から伐採が進まない森林が多数存在している事情にあります。このため、1966年には20億㎥弱であった森林蓄積量は2017年には50億㎥を超える規模にまで達しています。また、伐採期にある林齢45年以上の人工林面積は全体の約65%にも及んでいます。日本国内の年間木材需要は約8千万㎥ですから、年間の森林蓄積量の成長分だけでも国内需要を十分に賄える規模にあります。
私どもは、こうした国内の豊富な森林資源のみに着目するのではなく、森林の整備・保全は、気候変動対策や国土保全、そして林業振興による地域経済活性化の観点からも極めて重要で緊急性の高い社会課題であると認識し、それら課題へのソリューション提供に取組むことは社会的意義があり、大きなビジネスチャンスもあると考えております。
当社が推進している「森林アセットマネジメント」は、IoT／ICT等の先端技術活用や森林認証を取得することで持続可能な森林整備・保全と林業生産を具現化し、国産材の安定供給や地域木材加工産業の活性化に繋がっています。そして、炭素固定化に寄与する用材搬出、木質バイオマス発電所への原料供給や森林由来Ｊ－クレジットの創出を行うことで微力ながらも気候変動対策へ貢献しています。更に、森林投資ファンド組成や森林不動産取引の活発化等の新たな領域へも果敢にチャレンジして参ります。
今後とも、引き続きのご支援ご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

株式会社SOLABLEフォレスト
代表取締役 西田 信一